2017年からバイオ革命が始まる
世界屈指の発明家・未来学者であり「トマス・エジソンの正当な相続人」と呼ばれたレイ・カーツワイル博士の著書「ポスト・ヒューマン誕生(コンピューターが人類の知性を超えるとき)」を読み、おおいに刺激を受けました。
博士は、未来では技術的に何が実現可能かという長期予想がいくつもたてられているが、その多くは未来にはものごとがどれほどの勢いで進展するかを過小評価しているといい、その理由として博士流の用語でいう「歴史的指数関数的」展望ではなく「直観的線型的」展望に基づいて予想しているからだと仰っています。
線型的とはある一定時間にある一定の成長を遂げることで、変化のペースが現在の率のまま続くと仮定しています。指数関数的とは時間とともに成長の度合いが加速化することです。
「私のモデルを見れば、パラダイム・シフトが起こる率が10年ごとに2倍になっていることがわかる。こうして,二十世紀の間、進歩率が徐々に高まり、今日の率にまでなるに至った。二十世紀の100年間に達成されたことは、西暦2000年の進歩率に換算すると20年間で達成されたことに相当する。この西暦2000年の進歩率による20年分の進歩をたったの14年で成し遂げ(2014年までに)、その次の20年分の進歩をほんの7年でやってのけることになる。別の言い方をすれば,二十一世紀では、100年分のテクノロジーの進歩率を経験するのではなく、およそ2万年分の進歩を遂げるのだ。もしくは,二十世紀で達成された分の1000倍の発展を遂げるともいえる。」と仰っています。
2017年からバイオ革命がはじまり、その10年後にはナノテクノロジーが本格的に動き出すという博士の見立ては非常に重要です。
今般、米国の製薬大手ファイザーによる英国の同業アストロゼネカ買収12兆円の提案が不調に終わったことは何を意味しているのか。
バイテクノロジーは病気や老化の進行を逆行させるための大飛躍を遂げる初期段階にあり、この富は指数関数的に拡大を続けるかもしれません。
投資家としては、癌の免疫治療薬の開発競争から目が離せません。
現在、博士はグーグルのAI(人口知能)開発チームにも加わっていらっしゃいます。